ツバキは努力家【LEGENDSアルセウス】

 

ツバキが好きだ。

作中でのツバキの初登場時、彼の主な行動といえば天冠の山麓での妨害。
原野、湿地、海岸と、それぞれクセはありつつも頼れるキャプテン達が多かった中、山麓で突如として登場した厄介者のキャプテン、ツバキ。
プレイヤーをしっかりと導いてくれるノボリとの対比も相まって、彼の厄介さには多くのプレイヤーが辟易したことだろう。

かくいう私も彼の第一印象は、邪魔しないでほしいなあだとかプライド高そうな人だとかそんなところであった。


そんな中、2022年2月28日、LEGENDSアルセウスに「ヒスイの夜明け」アップデートが配信されることとなった。

アルセウス捕獲までストーリーを進め、ツバキについても「ちょっと幼くて変だけど悪いヤツではない、兄であるセキの前では正直で、マルマインを前にしてはしゃぐ無邪気なところは可愛げがある」くらいに思っていた。

無料アップデート「ヒスイの夜明け」。
なぜだか知らないが、ツバキの出番や情報が多かったのだ(贔屓目に見てしまっているのかもしれないが)。
しかも、本編で厄介者であった分を取り戻すかのように、彼の良い一面が次々と出てくる。
これは本編を経てツバキが主人公に心を開いた結果なのか!?
ともかく、「ヒスイの夜明け」によって私はツバキが大好きになってしまったのだ。


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・ツバキの人物像

コンゴウ団に所属するキャプテンで、長であるセキのことを「アニキ」と呼び慕っている。気取っていて少し喧嘩腰だが、コンゴウ団の仲間に対する想いは熱い人物だ。
キングの荒ぶりを「シンオウさまのご加護」と考え、鎮めることに反対の立場をとっている。─ポケモンLEGENDSアルセウス公式サイトより 


ヒスイの夜明けでヨネが「ツバキは本来引っ込み思案だったが、セキのために前向きになろうとした、前向きになりすぎたのがあの結果」…のようなことを言っていたが、前向きになろうとした結果、プライドを高く持つようになり、時に喧嘩腰にもなってしまうツバキ。彼は少なからず不器用であることが伺える。

コンゴウ団長のセキという、作中屈指のよくできた人を兄に持つツバキ。セキはおそらく幼い頃も優秀で、時期団長として期待されていたのだろう。

それに対して引っ込み思案な自分にコンプレックスを抱いてさらに閉じこもるのではなく、「アニキのために!」と前向きになろうとする努力をし、努力の方向をちょっとばかし誤ってしまう不器用さもありつつ、引っ込み思案はしっかりと克服する彼の『努力』は兄にも引けをとらないと私は思う。

それどころか、努力の才能という点においてはツバキはセキに勝っている可能性もあるのではないか、とすら思うのだ。
少なくとも、「努力しないとなにかを成せない」という場面はセキよりもツバキの方が多いはずである。


また、山麓での妨害の一場面、洞窟の松明を撤去したツバキは「マルマインが力を失うことを阻止したいから主人公とノボリを足止めする」ことが目的であったはずだが、主人公とノボリには「暗いのを好むポケモン達のために松明を片付けた」と説明した。

これは主人公達への妨害に対して、本当にこんなことをしていいのかという葛藤があり、良くないと分かっているからこそ、「ポケモン達のため」という大義名分を作り自分に言い訳していたのだろうと思う。
彼の高いプライドから、悪いことをしている自覚がある上で「ボクは悪いことをしました」と言えなかったのもあるかもしれないが…。
少なくとも、主人公達への妨害は悪いことだという自覚はあったのだろうし、力に溢れるマルマインが素晴らしくカッコいい!と思う気持ちもあって、感情に板挟みになっていたのだろう。
あまり器用ではない彼のことだから、感情をうまく処理できずにめちゃくちゃな行動を取ってしまったのだ。

バトル後の「ツバキが負けたのではない、あなたが勝ったのだ」、からも、ボクは負けてません!あなた、なにかズルをしたでしょう!になるのではなく、ちゃんと「(主人公)は勝った」ことは認めているところが、ただのプライドが高いわがままお坊っちゃんではなく、正しいことは正しいと認められる意思があることが伺える。

 

ここからはかなり憶測が入るが、ツバキの高すぎる(ように見える)自己肯定感が形成されたのは、出来過ぎる兄と、自らの不器用さや内向的故に足手まといである現状から、他人からの肯定を期待できなくなり、自分で自分を肯定するしかなくなってしまったのではないか。
結果、自己肯定メーターが振り切れてしまったのではないか。

ツバキは引っ込み思案な自分に鬱屈せずに兄のために前向きになろうと頑張ったが、周りの人々はどうしても兄と弟を比較する。

本来の性格と、(おそらく)優れすぎた兄の影響で年齢より幼い印象を受けるツバキ。

小さい頃、幾度となく兄にフォローしてもらってきたであろうし、セキに欠点らしい欠点や頼りなさが残っていれば、ツバキの「ボクがアニキの役に立たなくては」という気持ちが一層強まって、努力のできるツバキのことだから、多少は兄弟間でバランスが取れていたと思う…のだが、現状、セキがなんでもできすぎるが故に役に立てる機会があまりなかったのだろう。

セキはセキで、年を重ねるごとに兄としてよりも長として振る舞うことが多くなり、ツバキの自尊心に空いた穴は自ら塞ぐしかなくなっていったのではないか。
しかし、それは兄として弟を甘やかすのではなく、コンゴウ団の長としてツバキを一人前のキャプテンだと認めた上での扱いであったのだろう。厳しいかもしれないが、セキはツバキを自分と対等に見ているということなのだ…(!)


・「ヒスイの夜明け」のツバキ

「ヒスイの夜明け」では、特に感情に板挟みにもならず、時にキクイと張り合いながらも持ち前の努力で結果を残す。
主人公に対しても好意的。騒動の際に重要になるきのみを渡してくれる。
相変わらずその言動には幼さが残るが、それもツバキの可愛らしいところだと思う。

 


最後に、ツバキに対する偏見を以てこの記事を締めさせて頂く。

 

ツバキ、17時にお風呂入って18時に夜ご飯食べて21時に寝て6時に起きてそう